株を始めたばかりの方にとっても、ずっと相場にいる方にとっても、きっと不思議に思えることの一つが、
「毎年赤字の企業が、なぜ上場を続けていられるのか?」
・・・・ということです。
中には、毎年のように経常利益や純利益がマイナスでも、株主優待を出し続けている企業もあります。
今回は、その理由をポイントをしぼって考えます。
✅ 赤字=上場廃止ではない
意外かもしれませんが、赤字だからといってすぐに上場廃止になるわけではないようです。東証などの証券取引所が定める「上場廃止基準」は、もっと広い範囲を見ています。
例えば、以下のようなケースが問題とされます:
・債務超過が続いている(一定期間)
・株主数や時価総額が著しく少ない
・不正会計や報告書未提出などの重大な不備
つまり、一時的な赤字や数年続く赤字でも、他の条件を満たしていれば上場を維持できるのです。
✅ 資金繰りさえできれば会社は続く
会社の運営には現金が必要です。赤字でも、たとえば以下のような方法で資金を確保していれば、会社は回ります。
・過去にためた内部留保がある
・親会社や金融機関からの支援がある
・資産の売却や増資で資金を調達している
会計上の赤字=現金がない、とは限らないという点が重要です。
✅ 株主優待は「広告費」と考える企業も
株主優待には、「自社製品のPR」や「ファンづくり」という意味合いがあります。
そのため、企業によっては広告宣伝費として優待を出すことがあります。
コストをかけても、優待によって個人株主が増えれば、株価が安定しやすくなるというメリットもあるため、業績が悪くても優待を継続するケースがあるのです。
✅ 「赤字なのに優待」の理由は企業ごとに違う
最終的には、企業ごとの経営判断による部分も大きいです。優待でイメージアップを図る企業もあれば、親会社の方針で続けている企業もあります。
投資する際は、IR資料や過去の決算短信などを参考に、その背景をチェックしてみるのも大切です。
📌 まとめ
・赤字だけでは上場廃止にはならない
・資金繰りさえ成り立てば経営は続けられる
・株主優待は広告や販促の一環として出していることも
・赤字でも戦略的に上場を維持している企業もある