〜上場のメリット・デメリットと、上場を選ぶ理由〜
株を勉強していると、ふと疑問に思うことがあります。
それは、「時価総額が5億円くらいで、利益も出ていないような企業が、なぜ今も上場しているのか?」ということです。
同じくらいの規模でも上場していない企業はたくさんあります。
なのに、赤字続きでも上場を続け、株主優待まで出している企業もある──その背景を考えます。
✅ 上場するメリットとは?
上場には、次のようなメリットがあります:
・資金調達がしやすい
→ 株式を発行することで広くお金を集められる。
・信用力・知名度が上がる
→ 「上場企業=信頼できる会社」という印象は今でも強いです。
・人材の確保がしやすくなる
→ ストックオプションなどで、優秀な社員を引きつけやすくなります。
・創業者や投資家の“出口”になる
→ 株を売却して利益を確定しやすくなります。
✅ 逆に、上場のデメリットは?
いいことばかりではありません。上場には、次のような負担もあります:
・上場維持コストが高い
→ 年間数千万円以上かかるケースも。監査、IR、法定開示など。
情報開示義務が重い
→ 有価証券報告書や四半期決算などをタイムリーに出さなければなりません。
・短期的な株主の目が厳しい
→ 中長期の経営より、今期の業績ばかり求められることも。
・敵対的買収のリスク
→ 上場株は誰でも買えるので、乗っ取りのリスクもゼロではありません。
✅ 小さくても上場を続ける理由は?
では、なぜ赤字で規模が小さくても上場を続ける企業があるのでしょうか?
こんな理由が考えられます:
・一時期は伸びていたが、現在は縮小しただけ
・業種的に「上場していること」が信用につながる(BtoBや公共系など)
・経営者が「上場していること」を誇りや戦略と考えている
つまり、「上場していること」そのものが、企業にとっての価値になる場合もあるのです。
✅ 同じ規模でも未上場の会社があるのはなぜ?
上場せずに経営している企業もたくさんあります。むしろ日本のほとんどの会社は未上場です。
その理由としては:
・資金が足りていて、わざわざ株を売る必要がない
・上場の手間やコストが見合わない
・情報公開したくない(経営の自由を保ちたい)
・創業家の意向で非公開を貫きたい
特に中小企業の場合は、「地道に安定経営」が合っていることも多く、上場しない選択はまったく不自然ではありません。
📌 まとめ:小さくても上場している理由は?
・赤字でも、資金繰りと信用が維持できていれば上場は続けられる
・上場は資金調達やブランド力アップの手段になる
・小さい会社でも「信用」「継続性」「親会社との関係」などを理由に上場を維持している
・上場コストが重くても、得られる信頼やPR効果を重視している企業もある
・同じ規模でも、自由や効率を重視して未上場を選ぶ会社もある