○上場企業でも、株主対応はバラバラ?
株主として企業と関わっていると、対応に大きな差を感じることがあります。
優待やIRについての問い合わせをしても返事が来ない。
書類の郵送が廃止されたものの、メールやLINEなどの代替手段が見当たらないこともあります。
「当社ホームページをご確認ください」と一方的な案内が届くのみ。
実際に、代替案が示されていないまま「郵送廃止のお知らせ」が届いた企業に問い合わせたことがありますが、やりとりがうまくかみ合わず、意図を十分に理解してもらえなかったという経験もありました。
もちろん、すべての企業がそうではありませんが、体制の違いや対応方針の差は感じやすいところです。
○IR部門がないと上場できない? 実は…
東証では、上場審査の際に「情報開示体制の整備」が求められますが、専任のIR担当者が複数名いることまでは要件とされていません。
そのため、総務や経営企画部門などが兼任で対応している企業もあります。
株主をに対する認識について、企業によって温度差があるように感じられることもあります。
ただし、今後は変わっていくかもしれません
報じられたように、東証は2025年7月をめどに、上場企業に対しIR部門や担当役員の設置を求める方針を明らかにしました。
これは「企業行動規範」の改定に基づくもので、違反した場合は公表や指導の対象になる可能性もあります。
背景には、
・投資家との対話を重視する国際的な流れ
・ESGやサステナビリティに関する情報開示の強化
・個人投資家の増加と、それに伴う情報ニーズの拡大
などが挙げられます。
○まとめ
これまで:
IR担当者が少人数でも、法定開示を行っていれば上場できた
これから:
IR体制の整備が制度として求められる動きがある。
株主との「対話」を重視する企業が増える可能性も高い。
私たち株主も、企業の取り組みに理解を深めながら、静かに思いを伝えていくことで、より良い関係が築ける時代になると信じたいですね。
※本記事は、特定の企業を批判する目的ではなく、株主としての素朴な疑問と制度の変化について整理した内容です。企業の皆さまに、心より敬意を表しております。